4)コンクリートの繊維補強に関する研究
4-1 研究の背景と当時の技術の調査研究
材料は細くするほど、断面内の欠陥や金属原子の転移が発生する確立が小さくなるので強度が増し、理論上はヤング率の1/10の強度に達すると言われる。
多くの材料を繊維状にして製造する技術、また新しい組成の繊維材料が生まれ、それをセメントやコンクリートと組み合わせて使うことが研究されるようになった。これらについて調査研究を行った。それらには、調査委員会の一員として研究に参加したものも多い。
研究成果
@@ スチ-ルファイバーの 昭和57年 日本建築学会材料施工委員会
実用化に関する調査研究 4月 第1分科会スチ-ルファイバ-
の実用化に関する調査研究委員会
(著者 小倉弘-郎、岸谷孝一、
平居孝之、ほか11名)
@@ スチ-ルファイバ-コ 昭和59年 日本建築学会 全pp226
ンクリ-ト技術の現状 3月 を14名で分担執筆
164 新素材せんいとその利用 昭和60年 建築雑誌 P33-36 4月 (著者 平居孝之、安藤達夫)
257 繊維補強コンクリ 平成元年 セメント新聞
ートの将来とその問題点 3月6日 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
@@ 新補強材のコンク 平成元年 日本建築学会、連続繊維複合材料研究委員会
リ-ト構造材への利用 3月 著者 岸谷孝一、平居孝之他29名
254 繊維補強コンクリ 平成3年 セメント新聞
-トの将来 2月25日 著者 平居孝之
344 前出
@@ 新補強材のコンク 平成2年 日本建築学会、連続繊維複合材料研究委員会
リ-ト構造材への適用 3月 著者 岸谷孝一、平居孝之他29名
に必要な評価項目の整
理と現状の評価方法
@@ 連続繊維からなる 平成3年 日本建築学会、連続繊維複合材料研究委員会
新素材の評価項目及び 3月 著者 岸谷孝一、平居孝之他29名
評価方法
114 新素材-連続繊維 平成3年 コンクリ-ト工学、
によるコンクリ-トの 11月 Vol.29、No.11 P64-69
補強-建築分野におけ 著者 平居孝之
利用の現状
253 コンクンクリート補強 平成5年 月刊 生コンクリート
複合材料の現状と展望 11月 Vol.12 No.11 p84-88
247 セメントコンクリ 平成6年 建材試験情報 1994 VOL30
-ト補強の短繊維につ 6月 p6-10 建材試験センタ-
いて 著者 平居孝之
@@ コンクリ-トの繊 平成7年 建設省建築研究所、講演会
維補強技術 1月 著者 平居孝之
@@ 連続繊維補強コンクリ 平成7年 技報堂出版 全259頁
-ト(諸性質と設計法) 7月 第3編適用例pp245- 256を岡本直、
の現状と問題点 平居孝之、中川裕章で執筆
4-2 繊維補強のメカニズム等に関する研究
短繊維を分散して入れて補強した繊維補補強コンクリートのメカニズムの理論として、複合則と繊維間隔論の2つが言われていた。マトリックス(母体となる材料)であるコンクリートの性質と補強材である繊維の性質を合わせて繊維補強コンクリートの性質が導けるというが複合則であり、繊維の間隔が小さくなるほどその間にあるコンクリートそのものの性質が向上するというのが繊維間隔論であった。
繊維間隔論を確かめる実験をいくつか実施したが、裏付ける試験結果が出なかったので、複合則に基づいて研究を進めた。繊維の材質や形状や混入量と、繊維補強コンクリートの強度などの関係について、実験を行って考察した。
破壊力学および引張軟化に関する研究は、村上聖氏が中心に行った。
耐爆性能に関する研究は、山口信氏が中心に行った。
研究成果
226 せんい強化複合材料 昭和46年 日本建築学会大会学術講演梗概集
の降伏強度試算式 10月 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
222 せんい強化複合材料 昭和48年 日本建築学会大会学術講演梗概集
の応力-歪性状
325 せんい強化セメント 昭和50年 第19回材料研究連合講演会
と石膏の引張強度 10月 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
207 「Strength 昭和52年 日本建築学会論文報告集
Prediction of Steel 7月 No.257,P151
fiber Reinforced (著者 平居孝之)
Concrete」に関する討論
206 「Strength 昭和52年 日本建築学会論文報告集
Prediction of Steel 7月 No.257,P152
fiber Reinforced (著者 高木尚二)
Concrete」平居孝之氏へ
の回答
205 建築材料としての無 昭和52年 日本建築学会論文報告集
機複合材料に関する研究 8月 No.258 pp1-8
その5せんい強化:実験編) (著者 岸谷孝一、平居孝之)
204 建築材料としての無 昭和52年 日本建築学会論文報告集、
機複合材料に関する研究 9月 No.259
(その6せんい強化:引 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
張強度の理論式とせんい pp1-7
の分散による強化係数)
202 建築材料としての無 昭和52年 日本建築学会論文報告集
機複合材料に関する研究 10月 No.260
(その7せんい強化:終 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
局引張強度の理論値と実験値) pp1-7
201 建築材料としての無 昭和52年 日本建築学会論文報告集
機複合材料に関する研究 11月 No.261
(その8粒子とせんいに (著者 岸谷孝一、平居孝之)
よる材料性能の強化と部 pp7-12
材の構造性能:解析編)
200 建築材料としての無 昭和52年 日本建築学会論文報告集
機複合材料に関する研究 12月 No.262
(その9粒子とせんいに (著者 岸谷孝一、平居孝之)
よる材料性能の強化と部 pp33-41
材の構造性能:実験編)
199 建築材料としての無 昭和53年 日本建築学会論文報告集
機複合材料に関する研究 7月 No.269
(その10金属骨組強化 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
:実験編) pp11-18
198 建築材料としての無 昭和53年 日本建築学会論文報告集
機複合材料に関する研究 9月 No.271
(その11金属骨組強化 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
:解析編) pp1-6
@@ 粒子とせんいで強化 昭和54年 日本建築学会大会学術講演梗概集
したはりの曲げ試験 9月 (著者 岸谷孝一、平居孝之)
124 繊維補強コンクリ 平成元年 日本建築学会構造系論文報告集
-トの破壊力学に関す 10月 No.404、(著者 村上聖、三
る研究(その1各種繊 井宜之、岸谷孝一、平居孝之、鹿毛
維による補強効果) 忠継) pp1-6
93 繊維長さ、繊維体 平成5年 日本建築学会構造系論文報告集
積率、マトリックス強 9月 No.451、
度が破壊靭性に及ぼす (著者 村上聖、浦野登志雄、三井宜
相互作用-繊維補強コ 之、岸谷孝一、平居孝之)
ンクリ-トの破壊力学 pp33-39
に関する研究-
85 鋼繊維補強コンクリ- 平成7年 コンクリ-ト工学論文集、Vol.6, No.2
の引張軟化曲線とその寸法 7月 (著者 村上聖、浦野登志雄、
効果則 三井宜之、平居孝之)pp21-29
230 セメントアルカリ温水 平成14年 Cement Science and Concrete
浸漬による短繊維補強コ Technology, No.56, p633-640
ンクリートの耐久性に関 著者 平居孝之、大谷俊浩、村上聖、
する研究 魚本健人
231 乾湿繰返しによる短繊 平成14年 Cement Science and Concrete
維補強コンクリートの耐久 Technology, No.56, p641-648
性試験に関する研究 著者 平居孝之、村上聖、大谷俊浩
8 プレキャスト薄板要素の積層 平成22年 日本建築学会構造系論文集 No.654
による2層構造版の耐爆性能 8月 p1577-1586 (著者 山口信、村上聖、
ポリエチレン繊維補強コン 三井宣之、平居孝之)
クリートの接触爆発に対す
耐爆性能
7 高性能AE減水剤添加率およ 平成22年 Cement Science and Concrete
び細骨材としての砕砂の使用 Technology, Vol.64, p457-463
がポリエチレン繊維補強コン 山口信、村上聖、武田浩二、平居孝之
クリートの力学的特性に及ぼ
影響
6 接触爆発を受ける連続繊維 平成22年 日本建築学会大会学術講演梗概集,
シート補強 RC版の損傷解 9月 pp831-832(著者 山口信、村上聖、
析に関する研究 平居孝之)
4 連続繊維補強材を用いた 平成24年 日本建築学会構造系論文集
鉄筋コンクリート版の耐爆 4月 No. 674 p637-646
補強に関する実験的研究 著者 山口信、村上聖、武田浩二、
三井宣之、久部修弘、平居孝之
3 プレキャスト小型要素に 平成24年 日本建築学会構造系論文集 No.678
よる部材構成方法の違いが 9月 pp1347-1385(著者 山口信、村上聖、
耐爆性能に及ぼす影響 竹田浩二、三井宣之、平居孝之)
ポリエチレン繊維補強コン
クリートの接触爆発に対す
耐爆性能
4-3 連続繊維補強に関する研究
連続した繊維の束またはそれを樹脂で固めたものを、コンクリートやモルタルに一方向に配向して入れて補強する方法について、実験を行って研究した。連続した繊維とコンクリートやモルタルの間の付着が十分にあるとき、補強効果が得られた。
研究成果
195 高強度セッコウ板の 昭和56年 GYPSUM & LIME, No.173
試作(第1報) 7月 (著者 岸谷孝一、平居孝之) pp21-29
194 高強度セッコウ板の 昭和56年 GYPSUM & LIME, No.174
試作(第2報) 9月 (著者 岸谷孝一、平居孝之)pp8-12
314 Effective Use of 昭和57年 Proceedings of the 4th International
Adhesive for Continuous 10月 Conference on Composite Materials
Glass Fiber Reinforced (著者 岸谷孝一、平居孝之)
Cement pp1211-1218
163 連続せんい補強セメ 昭和60年 日本建築学会大会学術講演梗概集
ントの試作研究(その1 10月 A(著者 平居孝之、関芳和)
ガラスせんい) P21
270 Continuous Carbon 昭和61年 Third Japan-U.S. Conference on Composite
Fiber Reinforced Cement 6月 Materials, (著者 平居孝之、坂井広道、
安藤達夫) pp449-456
「COMPOSITES’86:Recent Advances
in Japan and the United States”,
Japan Society for Composite Materials,p449-456 」
156 連続せんい補強セメ 昭和61年 日本建築学会大会学術講演梗概集
ントの試作研究(その2 10月 A、P75、(著者 平居孝之、
炭素せんいにおける付着) 安藤達夫、坂井広道、村上淳)
155 連続せんい補強セメ 昭和61年 日本建築学会大会学術講演梗概集
ントの試作研究(その3 10月 A、P75、(著者 平居孝之、
炭素せんい補強板の曲げ 安藤達夫、坂井広道、村上淳)
性能)
136 連続せんい補強セメ 昭和63年 日本建築学会大会学術講演梗
ントの試作研究 10月 概集A(著者 平居孝之、坂井広道、
(その4連続炭素せんいの 安藤達夫)
多段配向による曲げ性能)
258 Use of Continuous Fibers 平成4年 CONCRETE INTER NATIONAL
For Reinforcing Concrete 12月 The Magazine of American Concrete
Institute Vol.14 No.12 p58-60
著者 平居孝之